最近の中学校の数学の定期試験では、
数学用語を答えさせる問題が頻繁に出題されるようです。
私が中学生の時は、数学用語を問う問題はほとんど
なかったように記憶しているのですが、
みなさんどうでしょうか。
絶対値、乗法、分配法則・・・といったような
数学用語は、あくまで数学の概念の「ラベル」ですから
ラベルを答えられることよりも、
概念を説明でき、活用できることの方が重要だと私は思います。
「分配法則」という名前を答えられることより、
100×(1.01-0.93)
=100×1.01-100×0.93
=101-93
=8
という概念を使いこなせることの方がずっと有益です。
(※私は中学生時代、分配法則なんて言葉はまったく
意識していませんでした。テストで出題されても
答えられなかったと思います。
それでもとりあえずは問題なくやってきました。)
しかし、数学用語を答えさせる問題がなぜか最近増えてきた。
それは一体何故なのか、という考察は今回は置いておいて、
この種の出題で困っている生徒さんが多いようなので、
アドバイスを書こうと思います。
なぜ、数学用語を答えさせる問題に手こづるかというと、
問題集がないからです。
問題集の中に数学用語を問う部分がほとんどない。
(学校のみで配布されるワークには若干載っていることもありますが・・・)
だから、覚える練習がほとんどできずに、
テスト前に教科書をざっと見直して
「まあ、行けるだろう」という気分だけをつくるわけです。
しかし、いざテストになってみると、思い出せなかったり
漢字がかけなかったりして、悔しい思いをするのです。
だったら、どうすればよいか。
結論は単純です。
「自分で問題集をつくる」
これだけです。
多くの中学生の皆さんは、宅習帳(自分で教科を決めて自主学習
をして提出するノート)を課題に出されているでしょうから
それを活用するといいかもしれません。
数学の教科書の太字で書かれている用語
あるいは、線で囲まれている部分の用語に注目します。
そして、その用語の説明を抜き出して
例えば
①4xやxyのように、数や文字をかけ合わせた形の式を
(ア )という。
②また2x+2yのように(ア )の和の形をで
表された式を(イ )という。
といった問題を自分でつくっていくのです。
ここで、この( )の中に答えを書いたらいけません。
繰り返し練習できるように( )には何も書かずに、
ノートの右側に縦線を一本ひっぱって解答欄をつくり、
そこに答えを書くようにしましょう。
そうすれば、その解答欄を隠すことによって
何度でも練習できる問題集になります。
また逆に解答欄の用語を見て、内容を説明する練習をしても
よいのではないでしょうか。
多くのみなさんは、宅習帳は、問題を解いたり
要点をまとめたりするだけで、
自分で問題をつくるというところまでやった経験は
少ないのではないかと思います。
「自分で問題をつくり、それを解く」というのは
とても力のつく学習法だと思います。
このような学習法は、数学のみならず
社会科のテストでも力を発揮します。
社会科の先生は、一風変わった方が多いので
教科書の隅にちょこっとだけ載っているような人物や
教科書では扱われていない、授業でしゃべった内容について
のマニアックな問題が出されることがあります。
もちろん問題集には出てきません。
その対策としても、自分で問題をつくる学習法は有効です。
例えば、昨日は参議院議員選挙の投票日でしたが、
先生が選挙について何かおっしゃっていたら、
その日の宅習帳に選挙についての問題をつくってもいいかも
しれません。
先生のおっしゃったことを簡単にメモして
問題をつくってもいいですし、
新聞などを参考にして
①現在の与党は何党か。ふたつ答えよ。
②今回の選挙で最多の議席を獲得したのは何党か。
などなど・・・と本格的にオリジナルな問題をつくってもいいでしょう。
このように資料を読んで、自分で問題をつくることは、
教科書を抜き出すよりもずっと大変ですが、
視野を広げ、テーマを深く理解することにつながる、
とても良い勉強になると思います。
そのうち、問題をつくるのが楽しくなり、
テストをつくる先生の気持ちもわかってくるのではないでしょうか。
「出題者の気持ちをつかむ」という訓練は
ペーパーテストにおいては強力な武器になります。
自分で問題をつくるのは時間のかかる作業ですので、
テストの直前にするのは大変です。
日々の宅習帳や、まとまった時間のとれる夏休みに
やってみて、コツをつかんでいくことをおすすめします。