「いいか~、この問題は○○を使うのがポイント!
この問題でミスするところの95%は△△を忘れること!
だから絶対△△を忘れないように気をつけるんだよ~!
はい、じゃあ問題を解いて~!!」
いわゆる進学塾の授業では、先生が上記のように
問題を解くためのポイント、ミスしやすい点などを解説し
生徒たちにガンガン問題を解かせ、
身につけさせていくようなスタイルを取ることが多いです。
この授業法は極めて効率的で、生徒たちは短い時間で
たくさんの解法を頭にインプットすることができます。
テストの成績にも即効性があるでしょう。
先生のおっしゃるポイントをどんどん頭に蓄積し、
問題演習を繰り返していけば、
いわゆる上位校にも合格できると思います。
しかし、ここにひとつの落とし穴があります。
合格した後、その生徒たちは、
「問題のポイントや解き方」を簡潔に分かりやすく教えて
くださる先生がいなければ、勉強ができなくなってしまうのです。
本来は、その生徒自身が、問題演習を積みながら、
「この問題を解くためには、ここがポイントだな!」
「この問題では、ここがミスしやすいな!気をつけなきゃ!」と
分析して、頭の中にそのコツを蓄積していくのが望ましいのです。
そうしていく中で、問題を「かみくだいて」、
「何が一番大切で頭に残すべきことなのか」を
「消化・吸収」する力が育まれていきます。
この力が育まれている生徒さんは、上位校に進学した後も、
授業についていくことができますし、自学自習で勝手に成績を伸ばしていきます。
一方、誰かにポイントを分かりやすく教えてもらい、
その人の指示だけを受けて演習を続けてきた生徒さんは、
自分で勉強をする方法がわからないので、授業についていけなくなるのです。
ですから、最初の先生のセリフは、
本来は以下のようであるべきだと思います。
「この問題は何がポイントだと思いますか?
この問題でミスをするところはどこだと思いますか?
考えてみましょう!
気づいた人は教えてください!」
こう投げ掛けることで、生徒は「問題を分析しようとする心構え」も
養っていくことができるのではないでしょうか。
最初に書いた授業法よりは、時間がかかってしまうかもしれません。
効果が現れるのにも多少の時間を要するかもしれません。
しかし、長期的な目で見た時には、驚くべき効果を生むと思います。
以上のことは、自戒の意味でも書いております。
私自身「教え好き」が昂じて、ついつい、すぐにポイントを教えたくなるのです。
そればかりではいけないよなあ・・・と常々反省しています。
生徒さん自身の「学ぶ力」を育むことが一番大切であり、
生徒さん自身が、自分で何かに気づけた時の喜びは、
教えられて分かった時の喜びに勝るはずですから。
さらに、逆説的ではありますが、そうやって、自ら問題を分析し、
そのポイントを頭に蓄積するような自学自習を基盤とする生徒さんにこそ、
「分かりやすくポイントを教えてくれる先生」は必要なのだと思います。
難関大、難関学部、難関高校の合格を目指す時、
独習だけで問題のポイントを蓄積し、解法を体系化していくには
中学校の3年間や、高校の3年間は短すぎるのです。
「色々頭を使って自分で勉強してきたけど、どうしても壁をやぶれない」
という生徒さんが、塾や予備校の一流の先生方が、○○年かけて磨いてきた
解法の体系を目の当たりにした時、目からウロコが落ちるはずです。
そして、スポンジが水を吸うように、その知識を吸収し、
短期間で効率的に、自分のレベルを引き上げることができるのです。
どんなに頭の良い生徒さん達でも、
一流の先生達が、長い時間かけて分析し磨いてきた解法体系を
独習で頭の中に作り上げるには、かなりの時間を要するはずです。
だからこそ、多少の投資をして、先人の知恵を直接借り、
限られた時間を有効に活用するという判断も、
現代の受験においては、重要ではないかと思います。
![黄色サロン](https://studysalon615194484.files.wordpress.com/2020/05/salon_yellow-e1589753633633.jpg)
<サロンの建物の塗り替えが終わりました!
エネルギーに満ち溢れたマスタード色です・笑>