学習サロン ブリリアンス

クリスマスのこころ

昨日は、父の61回目の誕生日でした。

父は天皇誕生日と同じ日の生まれなので、我が家では昔から、父の誕生日とクリスマスを連続的にお祝いするのが恒例になっています。

昨日は、父の誕生日祝いとクリスマスの準備をするために、私は一人で買い物に駆け回る一日でした。

私はまず、生徒さん達宛てのクリスマスカードを投函するために、中央郵便局に向かいました。

窓口には、年の瀬を感じさせる、ものすごい行列ができていました。

小包や封筒を抱えてこの行列に並んでいる方達も、私と同じく、大切な方々に感謝の気持ちを届けたいと思っているのかなと思うと、温かい気持ちになりました。

その後、父へのプレゼントを買うため、バスで山形屋(鹿児島の老舗百貨店です)に向かったのですが、そのバスで偶然知人夫妻と遭遇しました。

私と同年代のご夫妻で、とても上品で落ち着いた素敵なカップルでいらっしゃいます。

バスに10分程揺られている間の短い会話の中で、旦那さんのご実家は、なんと私の今住んでいる家のすぐ近くであることや、奥さんと私は実は、かつて同じ日に同じ大学を受験していたことなどが分かり、自分が知らなかっただけで、ご縁があったんだなあとしみじみ思いました。

お二人は、先日の私の親友の結婚式にもいらっしゃっていたのですが、その時は私が忙しかったこともあって、あまりお話ができていませんでした。

だから、「偶然」を装って、天が粋な計らいをしてくれたんだなあと、感謝する次第でした。

また、新婚のお二人の幸せそうなお姿を見て、私もとても幸せな気持ちになりました。

山形屋に着いた私は、紳士服のコーナーに赴き、店員さんと相談しながら、父のプレゼントに「ちょっといい」ネクタイを2本購入しました。

予定していた値段を上回る品物だったのですが、生地の素晴らしさに見とれてしまい、奮発して買うことにしました。

そのため、店員さんから、レシートと共に、福引き抽選券(山形屋では恒例です)を何枚ももらいました。

店外にある抽選会場に赴くと、そこには長い行列ができていました。

私は、その後、頼んであるケーキやオードブルなどを取りに行かねばならず、行列に並んでいる時間の余裕がありませんでした。

しばらく考えた後、その抽選券を行列に並んでいる人にあげようと決めました。

子供連れのご家族に渡そうと決めて、行列を眺めていたら、3人の娘さんを連れた、若いお母さんの姿が目に留まりました。

私はその方達の所へ近づき、「すみません。僕は時間がないので、良かったらみなさんで使ってくださいませんか?」と言って、抽選券を差し出しました。

お母さんは、びっくりしていらっしゃいましたが、笑顔で抽選券を受け取られました。

渡す時に、私が「メリークリスマス」と言うと、お母さんはお子さん達に向かって「メリークリスマスだって、あはは」と笑っておられました。

お子さん達のきょとんとした顔と、そのご家族の後ろに並ばれていた方々の「なんで私達にはくれないの?」という、ちょっとうらめしそうな顔を背に、私はその場を去りました。

あのご家族の福引きは当たったかなあと、時々思い返しながら、私は、頼んでいたケーキやオードブルを受け取るために幾つかのお店を回り、帰路に着きました。

父は今週初めに高い熱を出して体調は万全ではなかったのですが、食欲は結構あったみたいで、ケーキやオードブル、それから母方の祖父がお歳暮に贈ってくれ、母や妹が料理してくれたお肉の鍋を家族で囲み、父の誕生日祝いをすることができました。

家族からのプレゼントとして渡したネクタイも、父はとても喜んでくれました。

一日を振り返ってみたときに、私は生まれて初めて、「クリスマスのこころ」みたいなものが少し分かったような気がしました。

中央郵便局で小包を抱えて並んでいた人たちも、山形屋で私と同じようにプレゼントを探していた人たちも、福引きを企画したお店の人たちも、みんな誰かに感謝と喜びを届けたくて、行動していたんだと思います。

私が福引き券を誰かにあげようと思ったのも、振り返ってみると、渡した方に喜んでもらいたかったという気持ちが一番にあったからでした。

感謝と喜びの詰まった贈り物を受け取って心が溢れた人は、また誰かに感謝と喜びのおすそ分けをしたくなるのではないかと思います。

そうやって、感謝と喜びが世界をめぐって、それと共に品物やお金も世界をめぐって、世界が精神的にも物質的にも豊かになっていく。

血が滞りなくめぐることで身体の健康が保たれるのと同じように、感謝や喜びの気持ちと、品物やお金が滞りなく世界をめぐることで、世界の健康も保たれるのだと私は思います。

そのような、愛がめぐる世界を無意識に願う人々のこころの集合体が「クリスマスのこころ」ではないかと思ったのです。

もしそのような「こころ」が世界中で最も輝く日であるとするなら、やはりクリスマスは宗教を超えて、まぎれもなく「聖夜」ですね。

Merry Christmas!

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