今週末には国立大学の前期試験、3月6日、7日には鹿児島県公立高校入試が行われます。
大事な試験の直前は、不安や緊張で心がいっぱいになる人も多いのではないかと思いますが、実は私もそのひとりでした。
私は、8ヶ月の浪人生活の後、京大理学部を2度目に受験した時、「必ずよい結果を出さなければならない」というプレッシャーと緊張から、試験中に大変な思いをしたことがあります。
150分ある数学の時間に、最初の30分を過ぎたあたりで、急に猛烈な腹痛に襲われたのです。
初めのうちは我慢していたのですが、あぶら汗はダラダラ出てくるし、とても問題に集中できる状況ではなかったので、勇気を出して試験官に手を挙げ、トイレ退出しました。
トイレの中では、腹痛と格闘しながらも、冷静に自己を見つめる視点がなぜかあって、「私は今『過度の精神的緊張は身体に障害を引き起こす』ということを、生まれて初めて身をもって体験しているんだ」と思いました。
しかし、その体験をよりによってこんな大事な日にもたらさなくてもいいじゃないか!と、天を恨みたい気持ちでいっぱいにもなりました。(※本当に自分にとって大事な日しか起こり得ない体験だったわけで、矛盾するのですが…)
やがてなんとか腹痛はおさまり、試験会場に戻ったのですが、結局1時間ぐらい時間をロスしてしまいました。
残り時間で書けるだけの解答は書きましたが、数学が終わった後、これは落ちたな…と思いました。
翌日2日目には英語と理科の試験を控えていたのですが、私の心はほとんど折れかけていました。
ホテルに戻った後は、暗い部屋の中で、くよくよと色々なことを考えていました。
自分のメンタルはこんなにも弱かったのか…
どうせ後期はもっと難しいんだし、今年はもうダメだな…
この1年間の努力が水の泡だ…
ひとしきりくよくよと嘆いた後、私の前にふたつの分かれ道が現れました。
それは、くよくよした気持ちのまま明日の試験を受ける、という道と、
気持ちを切り替えて明日の試験を受ける、という道です。
私は決意しました。
どうあがいたって2日目の試験を受けて鹿児島に帰るのには変わらないのだから、どうせなら明るい気持ちで試験に臨もう。
もう合格・不合格は一切考えない。
くよくよもしない。
開き直って、明日の試験にベストを尽くそう。
ベストを尽くしたんだと胸を張って、鹿児島に帰ろう、と。
合格を一切考えず、ただベストを尽くそうという、その開き直りが良かったのでしょうか。
2日目は過度な緊張もなくリラックスして試験に臨めました。
特に最後の理科は、想像以上にすらすらと解けて、高得点が撮れたんじゃないかという実感がありました。
一応前夜の決意通り、私はベストを尽くして試験を終えることができました。
鹿児島に帰り、合否の通知を受け取るまでは、本当に不安でした。
理科で稼げたので希望は出てきたのですが、数学が足を引っ張ってるだろうし、合否は本当に分からない状態でした。
なので、合格の通知をもらった時は本当に嬉しかったですし、あの夜の決意は、本当に運命の分かれ道だったなと思いました。
私は自分の受験を通じて、合格と共に、様々な教訓を得たと思っています。
まず、大事な試験に臨む際は「是が非でも合格しなければならない」という気持ちを忘れることです。
過度なプレッシャーや緊張の中で、実力を発揮するのは難しいものです。
試験前日まで、できる限りの準備をしたら、あとは開き直って、「ただ試験会場に行って、試験を受けて、帰ってくればいいだけだ」と思った方がいいです。
「たた試験を受けて帰ってくればいい」というぐらいの気楽さが、良い結果を生むものです。
また、試験が終わるまでには、予期せぬ出来事も起こるかもしれません。
しかし、どんな場合においても、やることはひとつ。
自分にできるベストを尽くすだけです。
ただただベストを尽くした先に、良い結果が待っていると思います。