学習サロン ブリリアンス

新しい夢のサイクル

6月に入って間もないころ、授業が終わり、夜も随分深くなった時間に、私は教室から一番近いところにあるコンビニまで、夜食のおにぎりを買いに出かけました。

母校の近くにある大きな交差点に差しかかった時、横断歩道の対面に新しいお店ができつつあるのに気づきました。

どうやら自転車屋さんのようです。

夜も遅いのに、店の中では、私と同じ年くらいか、もう少し上くらいのお兄さんが一人で、せっせと開業準備をされていました。

お店のウィンドウには「6月○日オープン 商品続々入荷中です」と書かれた貼り紙が貼ってありました。

たしかに店内はまだガラガラの状態で、自転車屋さんの雰囲気は出ていません。

お兄さんの姿を見ながら、私は、自分がブリリアンスをオープンする直前のことを思い出していました。

ホワイトボードや机、椅子、細かい物品をあちこちで買い揃え、夜はひとりでせっせと本棚を組み立て、昼は看板の打ち合わせをしたりして、慌ただしく準備を進めていた2年前の今頃。

自転車屋さんのお兄さんと同じく、私もオープン前の教室の前に、「英気に溢れる学習サロン ブリリアンス 6月オープン予定」と書いたメッセージボードを出していました。

「道行く人は、ここにはどんなお店ができるんだろうと思って期待をふくらませるもの。だから簡単でもいいので、早いうちから、手書きの貼り紙をしておくといいですよ。立派な看板を待たなくていいんです。早いうちから貼り紙をすると、すごく効果がありますよ。」

これは、私が、開業前に、何店舗もお店を開業させた経験のあるベテランのマッサージ師さんから頂いたアドバイスでした。

「きっと、この自転車屋さんも色々と考えて、工夫して、今、開業準備を頑張ってらっしゃるんだろうな。」

お店が出来ていく様子さえも、街の方々と分かち合おうとしているこの自転車屋さんの姿に、私はとても温かいものを感じました。

そしてまた、開業準備に勤しんでいるお兄さんを照らす灯りが、私の昔も照らしてくれるように感じました。

その日から、1週間ほどが経ちました。

私は深夜に再び、何気なくそのお店の前を通りかかったんです。

するとそこには、夢のような、ほんとうに夢のような自転車屋さんの姿があったのです。

店の中には、可愛らしい自転車や、修理の道具や、オブジェや、「高校生は○○%オフです!」と書かれた黒板が、まるでおもちゃ箱のように詰め込まれていました。

そして、お店の外には、森永ハイクラウンチョコレートと書かれた黄色い昭和なベンチが置かれていて、自転車屋さんというよりは、レトロな雑貨屋さんのような雰囲気が漂っていました。

深夜でしたので人は誰もおらず、店内に置かれた一灯のランプが、お店を印象的に浮かび上がらせていました。

誰も座っていない真夜中のベンチを眺めながら、私は想像しました。

自転車を修理してもらっている間、その黄色いレトロなベンチに腰かけ、向かいのタイ焼き屋で買ったタイ焼きをほうばりながら、少し童心に返ったような気持ちになって、談笑している母校の高校生たち。

そんな昼間の自転車屋さんの姿が目に浮かぶようでした。

私は、お店の前で感動していました。

月並みな表現になってしまいますが、「この自転車屋さんは、自転車を売るのではなく、自転車を通じて夢を売ろうとしているんだな」と思いました。

しかも、自転車を買ってもいない、修理してもらったわけでもない通りすがりの私を、お店の佇まいそれだけで、こんなにも豊かで楽しい気持ちにさせてくれるなんて。

私はその自転車屋さんの成功をお祈りするとともに、自分も初心に立ち返って仕事をしなければと強く思いました。

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おかげ様で、本日6月15日をもちまして、ブリリアンスは2周年を迎えることができました。

すばらしい生徒の皆さん、保護者の皆様、友人、家族、親族、街の皆様、このブログを読んで下さっている皆様、様々な方々の温かな支えを頂いて、今日までサロンに灯をともし続けることができました。

心より感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。

(今日は、ブリリアンスの玄関の小さな電灯3つを、すべて新しいLED電球に取り替えました!)

ブリリアンスは、「学習」を通じて、生徒の皆さんも、保護者の皆様も、縁のあるすべての方々にとって、「その人が本来持っているすばらしい頭のはたらきと元気と活性化できる場所」を、楽しく目指し続けたいと思います!

「自転車」のサイクルと「周期」のサイクルをかけまして…

ブリリアンスの3年目が、また新しい夢のサイクルになりますように!

3年目のブリリアンスも、どうぞよろしくお願いいたします!

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