
世界で一番人の笑い声を聞いた耳でありたい~松本人志~
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ただただカッコ良い言葉です。ふつう夢を語る時には、子どもであれば、ケーキ屋さんになりたいとか、サッカー選手になりたいとか、職業を答えるでしょう。また、何か仕事に就いている大人、例えば芸人さんであれば、お笑いの世界で天下を取りたいとか、レギュラー番組が欲しいとか、そんな風に答える人が多いのではないかと思います。
松ちゃんの言葉のすごいところは、自分の夢に、自分だけがいるのではなく、他者がいるところです。もっと言えば、他者の存在を前提として初めて成り立つ夢です。これは自分が笑わせることで、たくさんの笑い声を聞きたいという意味もあるでしょうが、松ちゃんが企画しMCをする番組で、他の芸人さん達の面白い話によって、人が笑うことも含まれているような気がします。そういう意味でも、松ちゃんの夢にはたくさんの他者が存在しているように感じられます。
また、自分の笑いに対する確固たる自信だけでなく、世の人々に対する愛情と、未来への祈りのようなものが満ちている言葉でもあるように思います。
笑いの世界で多くの実績を残してきた人だからこそ言える言葉かもしれません。でも逆に、こういう夢、こういう思考回路を元来持っている人だからこそ、これだけ長い間、業界の第一線で活躍して来れたのでないかとも思います。
自分の夢に他者を住まわせることができるかどうか、人の器はそういうところで決まるのかも知れませんね。