自分の底にあるフタを開けて、もう一段深い自分を引き出すことができるかどうか。それが挑戦(チャレンジ)ということだと思っています。
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とりあえずコンスタントに勉強をしていけば、今ある自分の器が満たされるまでは、知識や技術は身についていきます。しかし、それだけでは手の届かない所に目標を描いてしまうのが人間というもの。
受験でも、そういった「今ある自分の器に知識を満たす」だけでは手の届かない、もう一段上に志望校を設定したくなるものです。そのためには、自分の底にあるフタを開けて、今まで表に現れて来なかった、もう一段深い自分を引き出し、器の容積を広げていかなければなりません。
そのフタを開けるまでには、様々な試練が起きるかもしれません。ある所までは順調に伸びたのに、そこから中々成果が出ない。模擬試験で厳しい結果を突きつけられる。家族とも衝突したりする。悩む。考える。自分を見つめる。開き直る。知恵を振り絞ってまた前に進む…。高い目的意識を持って進んでいる以上、自分の底にあるフタを開いて闘わざるを得ないような状況が襲ってきて、自分の根源を揺さぶってくるんですね。
しかし、そうやってあきらめずに知恵を出し続け、前に進んでいく内に、ある日突然、パッと視界が開け、問題の中に、今まで見えなかったものが見えてくるようになる瞬間が訪れます。今までは、点と点でバラバラに見えていたものが、線でつながって見えるようになる。自分の底にあるフタが開いた瞬間です。そうするとシメたもので、一気に目標地点まで飛躍することができるようになります。
京都大を目指していた時の私もそうでした。考えてみると、現在の自分の器で手が届くような場所に魅力は感じないわけです。高い目標を持つのは、今ある自分の器を広げて、一段高いステージに行きたいからですよね。それこそが
挑戦(チャレンジ)です。
だから当然、挑戦(チャレンジ)の最中には、自分の器を広げさせるための、試練 (?)という名のレベルアップイベントが、眼前に立ちはだかってくるわけです。今ある自分の器だけで簡単に対処できるなら、それは試練ではなく、大きなレベルアップにもつながりません。ゲームでもそうですが、強いボスキャラを倒すと、経験値もお金もたくさん入ってきて、自分のレベルも大きく上がりますよね。そして、次のステージに進むことができます。ザコキャラばかりを倒していても、次のステージには進めないのです。
受験生のみなさんは、一段上を目指している「挑戦者たち」だと思っています。へこたれずに、自分の底にあるフタ、開いていきましょう!そして冒険を楽しんでいきましょう!視界がパッと開けた時の感動は、他には代えがたいものですよ。