久々に午前中放送の教育テレビを見た。「カガクノミカタ」、「考えるカラス」という理科教育番組をやっていたのだが、とても面白かった。最近の教育テレビの進歩にビックリした。
カガクノミカタは「じっくり見てみよう」というタイトルで、身近にあるものをじっくり見るだけでも、色々な発見があるということをテーマにしていた。
例えば、スプーンをよく見つめてみると、スープをすくう側に映る自分は逆さまになることに気づく。
しかし、反対の面に映る自分は正立したそのままの姿だ。これは一体どういうことだろう?と、不思議そうな顔をした子どもの顔がTV画面に大写しになる。
その他にも、ポップコーンをよーく見てみると、丸いのと、丸くないのがあるけど、なぜだろう?と問いかけ続ける。
この番組を私が非常に面白いと思ったのは、なぜだろう?と思わせるところで止めて、決してその答えを教えないところだ。
その直後に放映された「考えるカラス」はさらに意図的で、出演者が身近にある不思議の理由を解説している途中で番組が強制終了される。
視聴者としては、なんでだろう?と考えさせられ、引き込まれた後に、良いところで強制終了させられるのだから、その後も答えが気になってずっと考え続けてしまうのだ。
番組制作者の意図にまんまと乗せられてしまう、非常によくできた番組である。
私自身も理科の授業をしている時に、時々これと似た手法を使う。
生徒が「どうして◯◯は◯◯なのですか?」と質問をしてきた時に、わざと解説をせずに、その疑問をノートの隅に大きく書き残しておくように指示する。
そして、「そのことをずっと疑問に持ち続け、自分なりに考えていくうちに、ある日不意にその答えが分かる日がくるかもしれない。
そして、その答えが分かる日がまで、ずっと疑問を持ち続け、日々新しく得ていく知識と結びつけながら、思考を深めていく日々の方が、今、答えを知ることよりもずっとあなたを知能を育てることになるかもしれないよ~。」という話をする。
その場ですぐに得られた答えは、単なる知識であり、インスタントなもので、反復しなければすぐになくなってしまう。
でも、疑問を持ち続ける中で得られるものは永続性と多様性がある。
その疑問自体が様々な知識を結びつけていく磁石の役割をするし、疑問を解決していく過程で、その人の思考回路は磨かれていく。
良い答えを得るよりも、良い疑問を持ち続けることで、人は育つように思う。
そして、究極的には、答えは得られても、得られなくてもどちらでもよいのではないかとさえ思う。
学校教育はどうしてもテストの点数で評価するシステムだから、先生も生徒もインスタントに効率良く「答え」を収集することを求めてしまう。
でも人間がいつの時にも試されるのは、今ある手持ちの知識と知恵と経験で、誰も答えを教えてくれない問題と、どう向き合うかということである。
ならば、答えを教えることはなく、疑問の解決に取り組む子ども達のプロセスに優劣をつけることもなく、ただただ、不思議!面白い!自分で理由を見つけたい!と思う心が子ども達に湧き上がることだけに重きを置く教育がもっとあっても良いと思う。
そういう意味で、カガクノミカタや考えるカラスは先進的な、非常に素晴らしい番組だと思った。
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