今週の火曜、水曜はブリリアンスも春休みを頂いておりまして、私も普段だったら参加できなかったであろうイベントに足を運んで参りました。
15日の夜は、鹿児島国際大学音楽科の卒業生による卒業演奏会を聴きに、県民交流センターへ行って参りました。
私はブリリアンスを開校する前に一時期、家庭教師をしていたことがありまして、その時の教え子が、この卒業演奏会に出演していたのでした。
7年前、中学3年生だった彼女は、その当時からピアノにかける情熱には並々ならぬものがあり、松陽高校の音楽科への進学を希望していました。
私が授業をしていた場所は、彼女の家の中に設けられた、ピアノが置かれている音楽の練習をするための部屋でした。
秋から冬にかけての寒い時期、その音楽室の隅に置かれた円卓で、主要5教科の勉強計画を一緒に立てたり、数学や理科の問題の考え方を教えていたのを、今でもよく覚えています。
週に一度、夕方日が落ちかける頃に、家庭教師に伺っていたのですが、ある日、私が家の前まで来ると、中から華麗なピアノの旋律が聞こえてきました。
普段は静かで落ち着いてる印象の彼女からは想像もできない程、気迫に満ちた情熱的な演奏でした。
私の足は自然に止まり、家の外で、しばし彼女の旋律に身を委ねていました。
私はその時に、普段はクールに見える彼女の、内に秘めた小宇宙を知った気がしました。
その後、中学を卒業する時の演奏会、それから松陽高校音楽科を卒業する時の演奏会にも、私は参加して、進化していく彼女の演奏を聴いてきました。
そしてついに今回、大学の卒業演奏会での彼女の演奏を聴く日が来たのです。
久しぶりに耳にした彼女の演奏は、内に秘めた情熱を感じさせつつも、非常に抑制が効いていて、中高校生の頃にはなかった優美さが備わっていました。
そして彼女の奏でる旋律は、私が20代を過ごした京都の町の、春の日の情景を思い起こさせてくれました。
私は音楽のことは詳しくないので、適切な評価はできませんが、素晴らしい映画や、素晴らしい舞台を観た時と同じように、「まだ終わらないで欲しい。ずっとこの時間が続いて欲しい」と思わせる力が彼女の演奏にはありました。
ここまで来るのにどれほど練習してきたか、どれほど勉強してきたか、そして、彼女が何を目指そうとしているのかが、分かるような演奏でした。
私にはプロの演奏家の友人、知人が何人かおります。
私は彼らの生きる姿に、音楽の道を歩んでいくことは、並々ならぬ覚悟と努力が必要なのだということを、教えてもらいました。
その一方で、覚悟を決めて研鑽を積んだ演奏家の魂のこもった演奏には、他のものには代え難い感動があることも、教えてもらいました。
彼女もこれまでに様々な苦労や苦悩があったかもしれませんが、幼い頃から彼女の内に秘められた激しい情熱、小宇宙が、彼女にここまでの道のりを歩かせ、ここまでの演奏を引き出したのではないかと思いました。
様々な教え子達の、様々な人生の歩みを見ていると、大袈裟かもしれませんが、生きていくということは、それだけでひとつの芸術なのではないかと感じます。
そして芸術は、見る者に他には代え難い感動を与え、その者の生にも光を投げかけてくれます。
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昨日16日は鹿児島県の公立高入試の合格発表日でした。
ブリリアンスの生徒達にも全員に祝福の桜が咲きました。
生徒のみなさんそれぞれが、それぞれの場所で、内なる小宇宙に導かれ、その人ならではの人生の歩を進めていけることを、心からお祈りしております。
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