自学自習館は、学力を伸ばすことを目的とした学び舎ですが、その前段階として、生徒が「自信をとりもどすことができる」学び舎でもあります。
自学自習館に学びに来る生徒の動機は様々です。不得意教科を鍛えて得意科目に変えたいという強い気持ちをもって足を運んでいる生徒もいますし、自学自習館は勉強がはかどるということで「第2の勉強部屋」として活用している生徒もいます。
それからもうひとつ、元々持っている能力は高いのに、学校生活のサイクルにうまく乗れず、勉強を含む様々なことに対して自信を失くしてしまった生徒が、何とかして学生生活を好転させたいという願いをもって学びに来ているケースもあります。
そういう状況に陥ってしまうと、成績が伸び悩むのもありますが、予習・復習・宿題がこなせなかったり、授業について行けなかったりして、日々の生活が焦りと不安に満たされてしまいがちです。
ですが、そういう状況の生徒さんも、自学自習館に通う中で、ある変化が現れてきます。
表情が生き生きとしてくるのです。
私と管理人の是枝の間には、「○○君、最近表情がよくなってきたよね」という話題がよく上ります。
どうしてそういう変化が訪れるのかというと、ひとつには、自学自習館では毎日「ちいさな達成感」が得られるからだろうと思います。
立てた計画を全て達成するだけでも、今日はがんばったな、と思えるものです。
またトレーナーに学習カルテを提出することで、他者からも自分の「がんばり」を認めてもらうことができます。
生徒さんの中には、一日の学習が終わった後、カルテを提出する時にいわゆる「ドヤ顔」をする人もいて、大変ほほえましく思うものです。(ドヤ顔=得意げな顔)
そういう「ちいさな達成」を繰り返して行くうちに、少しずつ自尊感情を回復させ、自信を取り戻していくことができるようです。
そしてまた、学習カルテには、その日学んだことや、自分がレベルアップした点、未来に向けてのメッセージなどを記入するのですが、これは自分のポジティブな変化を生徒自身が毎日見つめていく作業に他なりません。
そのこともまた、生徒が自信を取り戻して行く一助になっているように思います。
自学自習を通じた、自己心理療法。
言葉にするとやや大げさですが、これも、自学自習館だからこそできることのひとつであるように感じています。