この一年、生徒を指導する中で、ずっと意識をしてきたことがあります。
それは、「本番に強い生徒を育てる」ということです。
普段の学習では、難問を何日もかけて粘り強く考え抜き正解を出してくれる生徒でも、プレッシャーがかかった状況の中では、実力が発揮できないことがあります。
試験本番には制限時間があります。
そして、失敗は許されないという緊張感があります。
そういう中でも、生徒が実力を発揮して手堅く結果を出すにはどうすればよいかを、様々な本を読んで情報を集めながら、この一年ずっと考えてきました。
本番に強い生徒を育てるため、この数か月、生徒たちに強く意識付けを行っていることがあります。
それは、「ケアレスミスと徹底的に向き合うこと」です。
どの教科もそうですが、特に数学のテストでは、難しい問題を解くよりも、簡単な問題を落とさないことの方が大切になってきます。
なぜなら、難しい問題が解けても3~4点、簡単な問題が解けても3~4点と、配点がほとんど変わらないからです。
ですから、難しい問題をやっと解いて4点得られたとしても、そこで時間を使い、簡単な問題の見直しがおろそかになって何問もまちがってしまっては、トータルでは大きなマイナスになってしまうのです。
テスト本番では、自分ができるレベルの問題を決して落とさないことがとても大事になってくるのです。
そのためにも、普段から「ケアレスミスでの失点」にはシビアに向き合っていかなければなりません。
私は、生徒が普段の学習でケアレスミスでまちがった場合、その問題番号を蛍光ペンで塗るように指示しています。
そして、どうしてミスしたのか、改善するためにはどうしたらいいのかを考えてもらうようにしています。(改善策はノートに残します。)
そうすると生徒もいかにケアレスミスでの間違いが多いものなのかを実感しますし、改善しようという意識が働くようになってきます。
そのうち蛍光ペンで塗る回数は確実に減ってきます。
それと反比例して生徒たちの得点は上がってきます。
9月から10月の定期試験で、数学や理科の点数が急上昇している生徒がたくさんいるのですが、生徒たちの勉強量だけでなく、この「ケアレスミスにシビアに向き合い改善していく取り組み」が功を奏しているのではないかと感じています。
本番で実力を発揮するために普段からできる取り組みは、まだ他にもありますので、機会があればまたご紹介したいと思います。
最後に、「ケアレスミスをなくしていくこと」すなわち「注意深く物事に取り組むこと」はテストに限ったことではなく、科学の基本中の基本であり、無限の可能性を秘めた重要な姿勢なのだということを教えてくれる、先人の言葉をご紹介して、今日のブログを終えたいと思います。
If I have ever made any valuable
discoveries, it has been owing more to patient attention, than to any other
talent. – Sir Isaac Newton
もし私が価値ある発見をしたのであれば、それは才能ではなく、忍耐強く注意を払ってきたことによるものだ。 -ニュートン