3月15日は鹿児島県の公立高校入試の合格発表の日でした。
鹿児島県の合格発表のシステムは少し特殊で、不合格であれば当日の9:30~11:00までの間に担任の先生から自宅に電話が来るのです。
すなわち電話が「なければ」、合格していることが分かり、笑顔で掲示板を見に行くことができるのです。
今年、ブリリアンスからは4名の生徒が受験しておりました。
毎年のことですが、この合格発表の当日は、私は寿命が縮まる思いがします。
「生徒も私達も人事は尽くしたんだ。結果はどうなろうと天に委ねよう。…でも願わくば、努力が報われて、全員合格していますように…」
そんな思いが頭を駆け巡り、前日はほとんど寝られませんし、全員の合否を確認するまでは全く心が定まりません。
特に当日の11:00までは、不合格の生徒から私のところにすぐに電話がかかって来るかもしれないという不安にさいなまれ、自分の携帯をにらみながら、「どうか電話よかかって来るな」と念じます。
たった1分時間が進むのも、とても遅く感じられます。
誰からも電話が来ず、10時45分を過ぎた頃、私の中に少しだけ落ち着きが訪れます。
「この時間まで電話がないということは、みんな大丈夫だったんじゃないか。でも、もしかしたら落ち込んで私に電話をする気力が起こらない生徒もいるのかもしれないし…」
完全に不安は拭えませんが、時計の針が11時を超えた時、私は心の中で小さくガッツポーズをしました。
すると、すぐさま2人の生徒から合格の報告のメールと、電話が来ました。
「良かった!本当に良かったですね!」と保護者や生徒に声を掛けながらも、今度はまだ連絡が来ない2人の生徒のことが気になり始めます。
それまではあんなに「電話よかかって来るな」と念じていたのに、一転して今度は「電話よ早くかかって来てくれ」と念じ始めるのです。
いつまで経っても連絡が来ないと、また私は不安になります。
「もしかしたらやっぱり不合格のショックでふさぎこんでいるんじゃないか。いやでも例年、掲示板で受験番号を正式に確認してから連絡してくる生徒もいるしなあ。」
「…私から今のタイミングで本人に合否の確認の電話をするのもどうかと思うし、とにかく私も合格掲示板に確認に行こう!掲示板で番号を確認するまでは、どの子も受かったんだと信じよう!」
そう決めた私は急いで現地に走りました。
現地に着くまでがこれまた長く感じられます。
近づくにつれ、笑顔で私の横を通り過ぎる見知らぬ中学生の姿が段々と増えていきます。
「…どうかみんな受かっていてくれ」
そう信じて、合格を確認に来た中学生たちで人だかりができている某高校の門を通り抜けた時、すぐ目の前に、私がよく知っている、本当によく知っている、一人の生徒の姿がありました。
きょとんとした顔で、私に気づいたその生徒が言いました。
「先生、受かった」
私は膝が崩れ落ちるほど安堵しました。いや本当に崩れ落ちました。
受験までに様々なドラマがあり、それを乗り越えてきた生徒だったので、私も本当に嬉しかったですし、感動しました。
本当に良かったねと、笑顔で握手を交わし、一緒に写真を撮りました。
そうしているうちに、もう1人の生徒からも、合格の報告メールが届きました。
「…よし、全員合格だった!今年は中学受験から、大学受験まで全勝だった!」
私はこの瞬間、心の中で本当に大きく大きくガッツポーズをしました。
おかげ様で今年はブリリアンスに在籍した受験生全員が志望校に合格することができました!(記念受験をした学校は除きます)
正直に申しまして、ブリリアンスには、ギリギリ受かるか受からないかのラインで志望校にチャレンジする生徒もいますし、すごく高いレベルの学校に挑む生徒もいますので、毎年全員が合格できる訳ではありませんでした。(受験当日インフルエンザにかかってしまうという不運に見舞われた生徒もいました。)
今年の結果は、生徒の皆さんの信念と日々の努力、それから、保護者の皆さまの温かい見守り、それからこれまでの悔しさを糧にして、「本番で力を発揮できる生徒を育てるためにはどうすればよいか」というテーマを追究してきたブリリアンスの教育が一体となって成したひとつの結果であったように思います。
高校受験の他にも、私の母校である京都大学理学部に初めて合格者を輩出できたこと、またあまり情報がない中で、2年前新設された公立中高一貫校である楠隼中受験を成功させることができたことなども、今年の特筆すべき結果でした。(これらについては、改めてブログを書きたいと思います)
期間限定で、トップページ他に、合格速報の特設ページを作りました。
↓
http://www.studysalon.jp/
ひとつひとつの合格に、本当に様々な物語がありました。
2017年度も、生徒の皆さん、保護者の皆さまと共に、ひとつひとつがそれぞれに素晴らしい「成長の物語」を紡いでいきたいと思っております。
よろしくお願い致します。
ブリリアンス代表 西野雄士