ブリリアンスでは、数学の基礎基本がある程度身についている生徒に対しては、やや難しい問題を毎回数題出題し、添削・解説をする指導を行っています。
「難しい問題をねばり強く考える」
これは私が受験生だった時に、Z会の添削指導で実力を上げた経験がベースとなっています。
応用力をつけるには、数学の解法パターンがある程度は身についていることを前提とした上で、「初見の問題でも自力でできるだけ考え抜く経験を積むこと」が重要です。
ここで、まったく違うタイプの勉強の仕方をする二人を例にとって、説明をしたいと思います。
一題の数学の問題があります。
その構造を80%まで理解し、解答を書き進めれば正解を導けるものとします。
Aさんは、初めて見る問題だからよく分からないよーと言って、すぐにあきらめ、10%程理解したところで考えるのをやめ、解答解説を読んで80%の理解に至ったとします。
Aさんの勉強の仕方は時間があまりかからないので、効率は良いかもしれません。
一方Bさんは、ねばれば解けるはず!と言って、ひとつの方法で行き詰っても別の方法を試したり、机に向かっていない間もその問題のことを考えたりして、60%までは自力でその問題を理解できたとします。
その後、Bさんは悔しさをにじませながら解答解説を読んで80%の理解に至ります。
二人とも解答解説を読んで、解き方をマスターした訳ですから、1日後に確認テストをした場合、二人とも正解できる可能性は高いです。
しかし、このような勉強を、2問、3問、10問、50問と続けていった場合、「初めて見る問題を解ける応用力」が身につくのは、Aさん、Bさんの一体どちらでしょうか?
初めて見る問題を解くということは、試験時間中に自分の知識を総動員し、様々なアプローチを試して、80%のゴールラインに自力で到達することです。
直後の確認テストでは同点であっても、半年後の実力テストでは、AさんとBさんの間には大きな差が生まれているのではないでしょうか?
Bさんは、毎回の演習の中で、様々な試行錯誤をしています。
この解き方をすればこういう展開になる、この解き方にはこんな落とし穴があるといった「解答解説には書かれていない」様々なことを肌で実感し、「経験知」として蓄積しているはずです。
そのような「経験知」が、初めて見るような問題を解く時に、底力となって支えてくれるのです。
ただそうと分かってはいても、高校生は予習・復習・課題提出に忙しく、このような「ねばり強く考える練習」を、自主的に進めることが難しいのもまた現実ではないでしょうか。
ですので、塾での添削指導には大きなメリットがあるのです。
毎回の授業がペースメーカーとなり、指導者と共に行えるため、生徒の心理的負担も下がって、自主学習だけで進めるのよりもずっと取り組みやすくなります。
また、塾でこのような添削指導を行うことで得られるメリットは他にもあります。
その生徒の解答が模範解答と違っていても、正しいのかどうか指導者と共に検証できるのです。
時々、模範解答と違うけれど、大変エレガントな解答を出してくれる生徒がいます。
そういう時は指導者である私も大変嬉しいものです。
自分の解答の良い点と改善すべき点を知り、さらに別解まで検証して、ひとつの問題に対する見方の幅を広くしていく。
それはただ解けた・解けなかったという単純な〇×にとどまらない、知的な喜びにあふれた探検の時間です。
そのようにして「ひとつの問題をじっくりとねばり強く考えていく」勉強は、問題に向き合う心の強さを育み、視野の広さを培い、何よりも知的な深い喜びが得られる、とても有意義な勉強だとブリリアンスは考えています。
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