ブリリアンスでは生徒に理科を教えるときに、知識をまとめるためだけの、通称「永久保存版ノート」をつくってもらっています。
このノートは授業には必ず携帯し、すき間時間を使って何度も読み直して知識を定着させ、最終的には受験会場まで持っていくことを想定しているので「永久保存版ノート」と名づけています。
このノートに書く「まとめ」は大きく分類すると次の3種類になります。
① 授業の板書を自分なりにアレンジを加えてまとめ直す。
② 問題演習でまちがったもの、知らなかったことなどをピックアップしてまとめる。
③ 参考書などを読みながら、自主的に知識の整理をしてまとめる。
以下、①・②・③のメリットについて詳しく説明します。
【① 授業の板書を自分なりにアレンジを加えてまとめ直す】
ブリリアンスでは授業の板書をそのまま写しなさいという指示はしません。
板書は時々見てもいいけれど、できる限り自力で、今勉強したことをノートに再現して下さいと指示します。
板書には書いてないけれど、必要だと思う内容については書き足したりして、生徒なりのアレンジを加えることもOKです。
こうすることによって、「受動的な作業」ではなく「主体的なアウトプット」として知識のまとめが行えるので、知識が頭に残りやすくなります。
また時々、私の板書よりも見事なまとめを作ってくれる生徒もいるので、そんな時は芸術作品を見ているかのような気分がして、とても嬉しいものです。
【② 問題演習でまちがったもの、知らなかったことなどをピックアップしてまとめる】
これを繰り返すことによって、その生徒に特化したオリジナルの参考書ができあがっていきます。
「永久保存版ノート」には、その生徒がまちがいやすい点や忘れやすい知識が載っているので、テストの直前にノートを見直せば、短時間で効率的な復習ができます。
【③ 参考書などを読みながら、自主的に知識の整理をしてまとめる】
市販の参考書を読みながら、自分にとって必要な知識をまとめていくことの効果は、知識の増強だけにとどまりません。
理科では問題文/図/表を読み込んで、大事なポイントを抽出する力が問われます。
参考書を読んで知識をまとめていく作業は、この「ポイント抽出力」の強化に大変役立ちます。
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これは理系教科全般に言えることですが、問題を解くために最も重要なポイントは何かということを抽出し、記憶し、運用できるかどうかで、学習効率・学習効果は大幅に変わっていきます。
理系教科の知識は膨大であり、細やかな知識のひとつひとつを最初から同じ濃さで覚えようとしても効率が悪いですし、定着も悪いです。
それよりもまず、各分野・各問題における一番の「根」となり「幹」となる知識を抽出し、記憶し、運用する練習をしていくことが大事です。
「根幹」となる知識が定着したら、その他の「枝葉」の知識も関連付けて覚えやすくなることでしょう。
そういう意味で、「意図的なまとめ学習」は理科の学力向上に大きく寄与してくれます。
ポイント抽出力を鍛えながら、まずはノートの中に「知識の地図」をつくっていきます。
そしてそれらを繰り返し見直すことによって、最終的には頭の中に「知識の地図」ができ上がっていきます。
受験会場では、繰り返し見直してクタクタになった「永久保存版ノート」だけを携帯し、見ておけば大丈夫。
そのノートは自分の努力の結晶ですから、試験直前の不安な心に、自信と勇気を与えてくれると思います。
そして試験本番では、頭の中に格納された「知識の地図」を広げ、道をしっかりと見定めながら冒険をするだけです。
そして試験に合格し、その知識を使うことがなくなって、いつの日か、覚えたはずの知識のほとんどを忘れてしまったとしても。
「永久保存版ノート」をつくる過程で培った、ポイントを抽出し、記憶し、運用するという「学習の型」は、永久に生徒の中に残って、その後の勉強を支えてくれることでしょう。