ブリリアンスの元受講生で、県外での1年の浪人生活を経てこの春に多数の医学部医学科に合格した方が、詳細な医学部受験記を書いて下さいました。
今回はシリーズ第3回、「数学・向上心を持つ」と題して、その方の高校時代と1年間の浪人生活における、数学の学習についてのレポートをお送り致します。(⇒ バックナンバーはこちら)
〔高校時代の学習〕
数学は、受験勉強全体を通じて私の苦手教科でした。
高校1年の時はクラスで一番になることもあったので、やればできるのではないかと思っていました。
しかし、2年生になるころから、応用的な問題になかなか太刀打ちできなくなり、更に定期テストでも悪い点を取ってしまうことが多くなり焦りを感じるようになってきました。
そこで、個別指導型の塾に通い、先取りと入試問題中心の学習をして、私立の中高一貫校の生徒との間の差を埋めるようにしながら、一方で黄チャートに取り組むことで基礎を隅から隅までしっかりマスターするように心がけました。
それでもなかなか成績を伸ばすことができず、不安が募るようになりました。
高校2年の終わりごろ、ブリリアンスで西野先生の授業を受け始め、自分の中の何が原因で数学の成績を伸ばすことができないのか、しっかり向き合ってその改善に努めるようにしました。
そこで、自分の決定的な弱点が計算ミスだということを改めて痛感しました。
ブリリアンスで問題演習に取り組みながら、いかに計算ミスを減らしていくかを真剣に考え、打開策を模索していました。
〈現役時 センター・二次試験 対策〉
センター対策には、少しずつ自主的に取り組んでいたのですが、数学の場合、良い点数も悪い点数もどちらも取りやすかったので、とにかく不安定でした。
鹿大の数学の選択問題には確率分布も出題されるので、数ⅡBの選択の幅を広げるためにも、確率分布をマスターすることにしました。
私の通っていた高校では、期待値ぐらいまで習ってそれ以上の学習は省略されていましたが、秋休みを使って確率分布の学習に取り組むようにしました。
ブリリアンスの個別で基礎的なところと問題演習に取り組み、鹿大の過去問を学校の先生に添削していただきました。
〈現役時の反省点〉
一方、現役時の数学の学習における反省すべき点は、「基礎にこだわりすぎたこと」ではないかと思います。
黄チャートを1~2周したころ、気持ちがすでにセンター試験に向いていて、次の段階の青チャートをマスターしよう、応用的な問題をじっくり考えてみようという気持ちになれませんでした。
原因は、基礎にこだわりすぎてモチベーションを下げてしまっていたことだと思います。
センター試験が終わって二次対策の授業が始まったとき、授業で取り組む応用的な問題に手が出るということに気が付き、予備校で青チャートに取り組むと意外と解けてしまうことに気が付きました。
現役時に十分な向上心が持てていなかったことは、本当にもったいなかったと思います。
〔浪人時代の学習〕
浪人が決まり、予備校に入ってからは、春期講習中は青チャートを中心に取り組みました。
前にも述べた通り、意外と解けてしまうこともありましたが、何より現役で合格できなかった悔しさがあったので、3月初めに予備校の体験をしてから、四月初めまでの約1か月間で青チャート3冊すべてを解き終わりました。
浪人中は、とにかく妥協せずに与えられたものはしっかりと理解して自分で解けるようになるようにすることを心掛けました。
自分の頭でしっかり考えることを大切にしながら取り組んできたので、模試でも悪くない成績が出るようになりました。
大変皮肉なことに、現役時に一生懸命改善しようとしてきた計算ミスも、この頃ほとんどなくなりました。
ですが、秋ごろには計算ミスが目立つようになり、そのせいで数学の全体的な点数が下がってしまうようになり、焦りが生まれました。
〈浪人時 センター試験 対策〉
センター試験対策は、一言でいうと難しかったです。
何が難しかったかというと、過去問と実戦問題集のバランスが難しかったです。
予備校の先生の間でも、過去問派と実践問題集派とで二分されるそうです。はじめ私は過去問を頼りにしていこうと思っており、11月いっぱいで青パックと桃パックを解き終え、12月からセンター直前までで、赤本に収録されている過去問をすべて解き終える計画を立てていました。
順調に計画を達成するなか、昔の過去問が近年の過去問とあまりにも違うことが気になっていましたが、そのまま計画通り進めて12月中旬に進研センターパックに取り組んだところ、直前のマーク模試よりも99点低い点数を取ってしまいました。
このままではいけないと思い、軌道修正を図り、実戦問題集と近年の過去問を併用しながら、スピード感を失わないように、且つ過去問に疎くならないようにバランスを意識して対策するようにしました。
〈私大医学部 対策〉
センター試験が終わり、私大入試対策になりました。
もちろん国立の対策もしますが、私の場合久留米大と福岡大には絶対受かるように、と考えていたので落とせない試験を前に少し緊張感をもって対策をしていました。
特に久留米大や福岡大は私立らしい問題で、少し対策をしないとなかなか難しいかもしれません。
〈鹿児島大学 医学部 対策〉
鹿大の対策としては、過去問を中心に取り組みながら、予備校の先生が選んだ良問といえる問題に取り組んでいました。
私の場合、過去問を15年分持っていましたが、私立大の二次試験等が多くなったので、厳密な計画を立ててそれ通りに処理する、ということが難しい状況にありました。
そこで、私は赤本をめくっていき「あっ、これ解きたくない、嫌だな」と思う問題に敢えて取り組むようにしていました。
そのような問題が今の自分の弱点であり、手っ取り早く改善することができるからです。
⇒ 第4回「理科・段階を適切に踏む」に続く
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Author 1センチちょっと前(鹿児島県立鶴丸高校卒)
鹿児島大学 医学部 医学科 東京慈恵会医科大学 医学部 医学科 他
医学部 医学科 多数合格 英検準1級取得
〔高校3年時〕学習サロン ブリリアンスにて数学・物理の個別指導を受講
地元の予備校および地域の学習塾の自習室を利用
〔1年間の浪人時〕県外の医進予備校に在籍