ブリリアンスの元受講生で、県外での1年の浪人生活を経てこの春に多数の医学部医学科に合格した方が、詳細な医学部受験記を書いて下さいました。
最終回となるシリーズ第6回は、「ポジとネガ、どちらも味方にする」と題して、その方の高校時代と1年間の浪人生活における、成績の推移とメンタル面についてのレポートをお送り致します。(⇒ バックナンバーはこちら)
〔全体的な成績の推移〕
現役時、記述模試の判定はずっとE判定でした。
一方で学校の成績は、高2までは鹿児島大学医学部に現役で合格するといわれる成績で、高3からは五分五分だといわれる成績でした。
また、3年生の時に受けた北九州予備校主催の鹿大模試では、C判定ぐらいでした。
高校3年夏から受け始めたマーク模試はなかなか点が伸びませんでした。
センター試験本番は、医学部合格には程遠い点数に終わり、前期試験では二段階選抜がなかったものの、後期試験では足切りに遭いました。
実際には、前期試験の開示を行ったところ、センターで八割と少し取っていれば合格最低点に達しているようでした。
3月初めから予備校の見学へ行き、そのころから次年度に向けての受験勉強を始めました。周りの友人を見ていると、浪人が決まってもこの時期に遊ぶ人が多く見受けられますが、この時期の勉強は後々とても役に立ちます。
4月ごろから記述試験やマーク模試が始まりましたが、成績が急激に伸びたのを感じました。
記述模試ではB判定ぐらいに、マーク模試では900点満点で100点ほど上がりました。
ちょうどそのころ鹿大の開示を行ったので、「もう何もしなくても今受ければ受かるんじゃないか」と思ってしまったこともありました。
ですが、「鹿大だから」と妥協していたら、勉強のモチベーションが下がるのではないかと思い、チャレンジ校の設定を考えました。
ですが、鹿大医学部という目標は変えないようにしようと思い、私大でのチャレンジを考え、「一年間で慈恵や順天堂で戦えるようになる」という目標を設定しました。
秋ごろになると、記述、マークともに模試が増え、うまくいくときといかないときの差が顕著に表れるようになりました。
うまくいかないときは現役時の二の舞を踏んでいるような気持ちになり、精神的に不安定だったように思います。
浪人時の成績は一年間通じてB判定かC判定に収まっていました。
ただ、一口に模擬試験といっても、予備校や会社によって母集団も判定基準も違うので、判定よりも志望内順位を自分の成績の判断基準にしていました。
〔メンタル面について〕
現役時、私は精神状態を甘く見ていました。頑張れなかったら落ちる。現役で頑張れない人は浪人してもだめだ。
そのように考えて自分を追い込んでいました。しかし、センター試験本番に大失敗をして、精神的にボロボロになりました。
そして浪人が決まり、予備校の先生と話したとき、担任の先生は「ネガティブであることで良い調子に持っていくことができることもある」とおっしゃったので、最初は私もネガティブでいようと思っていました。
ですが、授業を受けていくなかであまりにも不安になってしまい、演習の出来で一喜一憂する日々が続いていました。
ある日、夕礼の時間に担任の先生が「不安な時って勉強にしっかりハマることができない。
あまり集中できてないなと思った生徒には『最近不安なんじゃない?』と声をかけるようにしている。」とおっしゃいました。
その時私はハッとしました。私も声をかけられたことがあったからです。その時になってやっと「ネガティブなだけの自分は勉強に集中できていない」ということに気が付きました。
今思えば、現役時にセンターで失敗した後の自分は、浪人生活に少し慣れた自分の3割ほどしか集中できていなかったのではないかと思います。
そこで、自分の精神状態をベストに保つためには、ポジティブでいることとネガティブでいることの良い所取りをすればよいのではないかと思うようになり、自分でうまくコントロールできないものかと模索するようになりました。
私の中で出た答えは、「ポジティブでいれば心が揺さぶられるときにもその振れ幅を抑えることができ、ネガティブでいれば危機感をもってしっかりと頑張ることができる」ということです。
このことを自分なりに整理するとスッキリしました。あまり調子が良くないときには、その失敗を次にどう活かすかということを第一に考えるようになり、大事な模試や試験が近い時には、危機感をもって真摯に勉強に取り組むよう心掛けるようになりました。
ここで精神面を鍛えたことが、本番にも活かされたのではないかと思います。(終)
Author 1センチちょっと前(鹿児島県立鶴丸高校卒)
鹿児島大学 医学部 医学科 東京慈恵会医科大学 医学部 医学科 他
医学部 医学科 多数合格 英検準1級取得
〔高校3年時〕学習サロン ブリリアンスにて数学・物理の個別指導を受講
地元の予備校および地域の学習塾の自習室を利用
〔1年間の浪人時〕県外の医進予備校に在籍