いつもご愛読ありがとうございます!
コーチの白濱です。
突然ですが、『エモい』と言う言葉をご存知でしょうか?
『エモい』とは、英語の「emotional(エモーショナル)」を由来としていて、とりわけ心地の良い懐かしさや良質なセンチメンタルに襲われたときに使う日本のスラング(俗語)、および若者言葉です。
『エモい』と言う言葉が、なぜこんなにも流行しているのでしょうか。
今回はその『エモい』に秘められたパワーについてお話します!
脳科学の分野では、「懐かしさ」つまり『エモさ』を感じた時、海馬という記憶の中枢と共に「報酬系」と呼ばれる領域が活動していることが、近年の研究によってわかってきたそうです。
脳の「報酬系」と言うのは、美味しいご飯を食べたときや嬉しい出来事があった時など、文字の通り有形無形の報酬を獲得したときに活動が高まる領域を指します。
つまり、『エモさ』は脳にとって「報酬=ご褒美」なのです。
もっと言うと、人は「過去」を「ご褒美」に変えるメカニズムを持っているのです!
「過去」と言っても、人はポジティブな過去の経験も、ネガティブな過去の経験も、持ち合わせています。
過去の経験の中でも、『エモさ』を感じるのはポジティブな思い出だけのように思われがちです。
しかし、人は楽しかった出来事だけでなく、失恋のようなつらかった出来事も『エモい』と思い出すことがあります。
今、辛く苦しい思いをしている人もいるかもしれません。こんな辛い体験が、なんのためになるのだと思うこともあるのではないでしょうか。
しかし、今のネガティブな体験すらも、数年後には『エモい』思い出として振り返り、未来の自分にとって「ご褒美」「生きる力の源」に変えることができます。
『エモさ』は、現実のネガティブな状況から脱却し、よりよい未来を生きるために必須の感情と言えるのです。
『エモい』と言う言葉が流行ったわけは、厳しい現代を生き抜く知恵の現れ、だったのかもしれません。
そもそも、今回このテーマでブログを書こうと思ったきっかけは、大学で学んだ「なつかしさの心理学」です。
これを学ぶまで、「懐かしむ」=『エモい』と言う行為は今の自分に良い影響を及ぼすと言う感覚がありませんでした。しかし、誰にだってあるポジティブな、そしてネガティブな「過去」へのアクセスが、今の自分が前向きに生きる力となるということを知り、感動したことを覚えています。
辛いこともあるかもしれません。そんな時こそ過去の自分へ繋がり、『エモい』体験をして、脳にご褒美を与えて、未来に向かって一緒に歩んでいきましょう!