いつもご愛読ありがとうございます!白濱です。
今回は、「わからない」はあなたのせいじゃないをテーマにお話ししたいと思います。
今回のブログは、大学で学んだ向後千春先生のインストラクショナルデザインという授業をきっかけに、書くことを決意しました。見出し文と引用部分は、向後先生の「世界一わかりやすい教える技術」からの引用です。
向後 千春先生について
向後千春『世界一わかりやすい教える技術』(長岡書店、2018年)、巻末参考
早稲田大学人間科学学術院で教授。博士(教育学)(東京学芸大学)。専門は、インストラクショナルデザイン(教えることのデザイン)、eラーニング、教育工学、作文教育、アドラー心理学。
「教えたのにどうして出来ないんだ!」
と怒られた経験は、誰しもお持ちかと思います。もちろんそのような教え方も、一概に悪いとは言えません。
しかし、教えたのに「わからない」のは本当に生徒の責任なのでしょうか?
「教えた」と言える状態とは?
教師と生徒の関係性の中には、上下関係が生まれがちです。教える方が偉くて、教えられる方は弱い立場になるのです。
そのような中で、「教えたのにどうして出来ないんだ!」などと叱られると、生徒が「私が理解出来ていないことが悪いんだ」と考えるのは当然です。
私自身、これまで様々な先生から授業を受けてきた中で、熱血をモットーにそのような教え方をされる怖い先生に出会ったことがあります。そのような先生だと萎縮し、授業自体受けることすら嫌になってしまい、学校や塾に行きたくなくなってしまって当然です。
教えられた人がきちんと理解ができて、できなかったことができるようになっていたら、初めて「教えた!」と宣言していいでしょう。もし、教えられる人ができるようになっていなかったら、「教えたつもり」になっているだけのことです。
向後千春『世界一わかりやすい教える技術』(長岡書店、2018年)、36-37ページ
「教えたのにできない」のは100%教える人の責任
この言葉を聞いて、学生時代の自分を振り返りはっとしました。
私自身も、「こんな簡単なこと聞いたら怒られるんじゃないだろうか」と思い、なかなか質問出来ないタイプでした。ブリリアンスで私が生徒として学んでいたとき、印象に残っているのは「わからない」を受け止めてもらえたことでした。そのおかげで、些細な疑問も質問して解決でき、楽しく学ぶことができました。
わからない時はとことんわかるまで付き合いますので、遠慮なくもう一度教えて欲しいと伝えてくださいね。🌟
教えられる人にやる気がないなら、やる気を起こさせるのも教える人の仕事
向後千春『世界一わかりやすい教える技術』(長岡書店、2018年)、39ページ
やる気だって、私は根性でどうこうなる問題ではないと思っています。やる気が起きないなら、何か別にやる気の出る方法があるはずです。
自分なりにやる気が出る方法を一緒に模索しましょう!😊
教えることは自分も深く学ぶということ
「誰かに教えているうちに、自分の中で知識が整理されて、前よりも深く理解するようになった」と感じることはありませんか?
向後千春『世界一わかりやすい教える技術』(長岡書店、2018年)、180ページ
教師は教える立場でありながらも、生徒から学ぶ立場でもあります。授業の場に上下関係はないのです。授業は、対等な知のコミュニケーションの場であると私は考えています。
私も教える中で学ばされた経験がたくさんあります。私の理解を超えた質問があったり、なんて賢い視点なんだろう!と驚くこともたくさんあります。
わからない時は一緒に調べて、共に成長していけたらいいなと思っています。
おわりに
向後先生の本には他にも、「教える」の基本や相手に理想的な態度を教えたいときどうしたら良いかなども書いてあります。興味のある方は是非読まれてみてください。
誰かに何かを教えるという場面は、学校や塾だけでなく、部活動や職場の部下教育などさまざまな場所で起こりうることです。
生徒としてこのブログを見ている人も、きっとどこかで何かを教える立場になるはずです。部活で後輩に教えることも立派なインストラクションです。
どのような教える場面であれ、「わからない」ことを責めず、穏やかに対等に知のコミュニケーションが行われることを願い、私もそのような教え手になれるよう学びを深めていこうと思います😊