いつもご愛読ありがとうございます!白濱です。☺️
今回は、中学生の生徒さんの成長の軌跡についてお伝えできたらと思います⭐️
順位73位UP!自分を知って、不安を自信に。(中学2年生 Tさん)

体験授業
今年の1月に入会したTさん。数学・理科をメインに受講を進めてきました。入会当初は、自分に合った学習法がわからず、勉強にやる気を見出せない状況でした。
ご面談の中で、親御さんからこれまでの学習の経緯をお聞きした後、体験授業でTさんと初めてお話しをしました。
その時、「ここまで、苦しかったんじゃない?よく頑張ってきたね。」と声をかけたことを今でも覚えています。ふと出た、私の本音でした。
私も学生の頃は、両親の期待に応えたいと思えば思うほど、どうしたら他の人のように「上手にできるか」わからず、苦しんでいました。
お子さんが“頑張りたくても頑張れない状況”をそばで見守る親御さんの苦しさも、両親の期待に応えたいけど、どうしたらいいかわからない子供の苦しさも、両方がよくわかります。
その両方が良い方向に向かうことができたらと願い、指導をスタートさせました。
「メタ認知」を育む
親御さんと連携をとりながら、幼少期に得意だったこと、ご自宅で楽しくやれていることなどをお聞きして、さまざまな学習法を試すことからスタートさせました。
入会当初から、「どう勉強したら良いか」を探求していたTさん。授業の際に対話の中で、何が不安なのか、苦しいのか、何を楽しいと感じているのかが見つかっていきます。
このように、誰かと話をしていく中で、自分が何に不安を感じ、何を楽しいと感じるのか、自分を見つめ直す作業をしていると、次第に「メタ認知」の力が育ってきます。
今回は、私が早稲田大学森田研究室で学んでいる、学習科学の中の「メタ認知」について少し掘り下げたいと思います。

メタ認知とは、「自分の認知活動を客観的にとらえる、つまり、自らの認知(考える・感じる・記憶する・判断するなど)を認知すること」を指します。その思考には「メタ認知モニタリング」「メタ認知的コントロール」「自己調整学習」という3つのプロセスがあります。
メタ認知的モニタリング
自分の思考や、考え方のプロセスに気づく最初の段階は「メタ認知的モニタリング」と言われ、重要なステップです。

親御さんから見たお子さんの学習の特性や、お子さん自身が学習の中で感じている不安や楽しさを、言語化し俯瞰して観察します。その中で、様々な学習法を試していき、これは自分に合っている、これは合っていないを見つけていきます。
メタ認知的コントロール
自分の状況を俯瞰し言語化することを続けていった結果、Tさんは次第に、学習へのやる気を取り戻し、「今日はこれをやりたい」と、自分からやりたい学習を提案してくれるようになっていきました。

この段階は「メタ認知的コントロール」と言われ、学習した内容に対して、自分の理解度を評価し、不足している部分を把握する前向きな段階です。
自己調整学習
そして、「自己調整学習」という最終段階に入ります。

「自己調整学習」は、メタ認知を活用して効果的に学習する段階を指し、学習法は様々あることを知り、理解して、色々な学習方法を、状況に応じ選択することができるようになります。
今、Tさんはこの段階を磨いている最中です☺️
「上手くできる」ようになるのではなく、「自分らしく」できるようになれたら、一生使える勉強法が身につきます。
授業の受け方も、自分で考えて「演習が先に取り組む方法を試したい」など提案をしてくれています。
このような過程を経て、73位順位UPという、成長の軌跡を残してくれました。
お父さん、お母さんの絶大なパワー
では、メタ認知を磨く学習は教師と生徒だけで、成り立つのでしょうか。
そんなことはありません。
お父さん、お母さんとのエピソードが最も絶大なパワーを持つのです。ご両親からかけてもらった言葉は、子供にとっていちばんの宝物になります。

Tさんのご両親は、家庭や学校での学習で抱える不安を、私たちにも共有して下さっていました。そのおかげで、私たちから見たTさんの状況や、適切と思われる声掛けなどをご提案し、その状況に応じたサポートをご自宅で実施されています。ご家族皆で成長をされているからこそ、早い段階で学習の土台が整っていったのだと思います。
Tさんの成長は、親御さんのサポートがあって、その中でTさんが自己研鑽を積んだからこそ成り立ったことです。
これからもきっと、どんどん成長していくTさん。Tさんが高校生になる日を想像すると、私は泣くだろうな、といつも思います☺️これからも一緒に頑張っていきましょう!🌱✨
私は、学生時代学ぶことが非常に不得意でした。典型的な非効率的な学習者だったと思います。だったからこそ、「学び方」に非常に興味があります。学びたいと思う人はどんな人でも、楽しく自分に合った学びができると信じて、学習科学を中心に、大学で学際的な研究をしています。
今回紹介した「メタ認知」は、動機づけ(やる気)とも密接に関わっています。子供も大人も少し意識することで、何かを学びたいと思う時、非常に役に立つ思考法です。
気になった方は、ぜひスライドもご覧ください☺️