学習サロン ブリリアンス

本当に「学ぶ」ということ

いつもご愛読ありがとうございます!白濱です。

今回は、生徒の成長の軌跡とともに、”本当に「学ぶ」ということは何か”について、私が感じたことをお話をしていけたらと思います。


数学・英語が苦手で、ブリリアンスに中2から入会したKさん。

今では高校生になりました。

今日までの学びの道のりの中で、起立性調節障害などの病気との闘いの中で、自分自身を見つめ、たくさんの苦労の先取りをしてきています。

そんなKさんの、成長の軌跡をお話しします。


病気が理由で、高校は通信制の高校に進学することを選択したKさん。中学生の頃から、自分なりの学習観を持った生徒さんでした。

勉強が出来ない時期は焦らずに

体調の不調が続き、Kさんにも勉強が出来ない時期が訪れます。

様々な理由で学習ができない時期は、どんな人も経験するのではないかと思います。

私自身も、闘病の経験があり、その時期は勉強したくてもできないことが歯痒く誰よりも本人が勉強をしなきゃいけないと強く思っています。なので、勉強の話を持ちかけられることがとても苦痛でした。

その時の経験から、勉強が出来ない時期はあえて学習とはかけ離れた話を一緒にするようにしています。その中で、時折出てくる本音などを聞き漏らさないよう、授業時間は対話を重視します。

勉強をする土台が整わない時期は、焦らず、無理をせず、心を整えていくことが重要だと考えています。そして、「誰かと一緒になら出来るかも」となったときに、エンジンを掛けられるように、とにかくその瞬間を、信じて一緒に待ちます

ブランクを埋めたもの

体調的に、3ヶ月ほど学習に臨めなかったKさん。「ちょっとやれるかも」という時期が訪れます

しかし、前回一緒に数学をやってから、時間が空いていた為、私は「忘れちゃっている部分は多いかもしれないから、基本から進めよう」と思っていました。

しかし、基本的な部分も、教科書に載っている応用の部分も、本当によく覚えていました。式変形なども、目の前で解いてもらってチェックをしていくと、完璧に丁寧に解くことができています

なぜ、学習できていなくても覚えていたのか

Kさんがこれだけ過酷な中、短い学習時間で最大限の学習効果が発揮されている理由はふたつ。

  1. 自分自身の”心”が回復する時間をしっかり待てたこと
  2. 自分が持っている学習観をしっかり認識し、それを貫いたこと

この2点が、成果の要因です。

Kさんは、量をこなすことはなかなかできないけれど、とにかく丁寧に、プロセスや思考を大事に学習をする生徒でした。

これは教育工学では「教訓帰納」と言われ、特に数学では成果の出やすい学習法のひとつです。

学習の土台=心

また、心が疲れてしまった時に、そのことをしっかり認識し、ご家族皆でその回復をしっかり待てていること。

これによって、学習の土台が築かれています。心が疲れていることに気づかないふりをしながら、学習を続けていたら、もっと大きなブランクがやってきていたのではないかと思います。

この出来事に私は本当に感動し、Kさんが3ヶ月前まで苦しいながらも積み重ねてきたものが、しっかり残っていたことが、本当に嬉しかったのです。

Kさんが身につけている学習法は、生涯どんな学びの場でも生かせる、かけがえのない宝物です。

これこそが”本当の「学び」だ”と感動しました。

それぞれの学習観

人はそれぞれ、生きてきた経験の中で、それぞれの学習観があります。

例えば、

「方略志向」

結果を出すまでのプロセスや思考を重視する考え方

「物量志向」

結果があっていればよく、そこまでの過程にはこだわらないとにかく勉強量をこなして、知識をカバーしようとする考え方

「環境志向」

「成績を上げるためにはわかりやすい授業をする先生が必要だ」のように学校の先生や塾などの外的な要素が学力を左右するという考え方

など、さまざまです。

どの学習観にも、その人が生きてきた足跡が詰まっていて、ここに優劣の差はありません

中には、物量志向を貫いて成果を残している生徒もいます。

やはりその生徒さんも、「何度も何度も問題を解くことが、自分にとっていい学習だ」認識をして貫いています。学校の宿題はいつも必ず2回以上解いているほどです。

その生徒さんは、必ず演習内容を自分自身で設定し、実行しています。だからこそ、力がついているのです。

成果が出る方法はひとつではない

人によって、成果が最大限出せる方法は違います

お父さん、お母さんがやってきた学習が、子どもに本当に合っているかというとそうとは言えません。もちろん、私たち講師がいいと思っている方法が、生徒に合う場合もあれば、そうでない場合もあります。だから、やり方を押し付けたり、詰め込んだりはしません。

ブリリアンスでは、その子がどんな経験をして今の学習観が育ってきたのかを見極め、一緒に学んでいきます。その中には、Kさんのような、思いもしなかった成長があり、こんな成長に出会った時、この仕事ができている幸せを感じます。

それでもダメなら

いろいろ試して、それでもダメなら、ちょっとひと休みして、心を整える時間が必要なのかもしれません。もしも、一人でどうしても立ち直れない時は、お話をしにブリリアンスへ立ち寄ってください。誰だって、学びの中では孤独であっていいはずがないと思います。これからも、その人らしい、本当の学びを一緒に体験していけたらと思っています。


執筆者:白濱 衣麗 (しらはま いより)

早稲田大学人間情報科学部eスクールに在学中。「どのように教育の問題を解決するか」を研究する「情報メディア教育論」研究室に所属。
心理学的支援法や障害者・障害児心理学・心理教育学等履修。学んだことを日々の授業に活かせないか、日々奮闘中です!

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